詩の朗読サイト:ぽえむーん


2009年09月24日

佐吉と観音像




昔々ある村に佐吉という若者がおりました。
佐吉はお酒を飲むことや遊びが大好きな一人息子として知られていました。
佐吉は畑仕事があまりできませんでした。
なぜなら、佐吉は畑を耕そうにも、花を見つけてはくわを入れることをためらったのです。
佐吉はいちいち花を傷つけないように土をすくっては、別の場所へと植えます。
ですから、畑仕事がまったくはかどりません。
佐吉の父親の藤助は、そんな佐吉の姿を見て、「まったく役に立たない放蕩(ほうとう)息子だ」と我が子の姿を嘆いていました。
周りの家々も、父親が佐吉のことをよく言わないし、佐吉がまったく働かないのを知っていたので、「藤助のところの息子はバカ息子だ」と笑いものにしていました。
しかし佐吉のことを、とてもよく言う人もいました。
それは佐吉と一緒に遊んだ人たちでした。
「あんな心優しい、いいやつはなかなかいない。佐吉が困ったときなら、なんだってやれる」
そう言う人もおりました。
藤助はことあるごとに畑仕事のできない佐吉を叱りました。
「佐吉!このバカ息子が!畑仕事もできないでどうやって暮らしていくつもりだ!自分で食べることもできなければ生きることもできないんだぞ!」
なんとかして佐吉に畑仕事をしてもらおうと必死です。
昔から藤助は一方的に佐吉を叱り付けて、畑仕事をさせたかったのですが、佐吉は逃げてばかりで藤助の言うことなんて聞こうともしませんでした。
しかしなんとかして藤助は佐吉が一人で生きていけるようにしたかったのです。
藤助もこの頃年のせいか、体の節々が痛み、畑仕事をするにも苦労するようになってきました。
藤助は佐吉がちゃんと生きていけるのかと不安を募らせる毎日でした。
藤助は時折がっくりと肩を落としながら、佐吉の母親のトミに言いました。
「せめてあいつが一人前になってくれりゃあ、わしもちゃんと安心して余生を送れるだがな・・・」
トミも同じように佐吉のことを心配して説教をしておりましたが、佐吉は変わろうともしません。
トミは藤助に言いました。
「佐吉の気持ちもちゃんと聞いてやらねばなるめぇ。わしらは佐吉が一人前になってくれればそれでいいべ」
藤助はしぶしぶ頷きながら佐吉を呼ぼうとしました。
しかし外にいたはずの佐吉の姿が見当たりません。
藤助は誰へとなく怒鳴りました。
「またあのバカ息子め!夜中にほっつき歩きおって!トミ!また佐吉のやつが遊びにでかけおったぞ!もうわしは知らんからな!」
せっかく心配しても佐吉は露知らず、どこかへふらっと出かけていたのです。
怒りの収まらない藤助は佐吉を自分の息子であることが情けなくなってきていました。
「どうしてあんな息子ができてしもうたかのぉ・・・」
藤助の力のない言葉にトミもがっくりと肩を落としました。
朝方になって佐吉が酔っ払ってしずしずと帰ってきます。
藤助たちにばれないように入ってきているようでしたが、すぐにわかりました。
物音を聞いて藤助が起きると、佐吉に向かって怒鳴りました。
「また飲んで遊んできたのか!畑仕事もろくにできないで!このろくでなしが!お前みたいな息子を持ってとうちゃんは恥ずかしいぞ!」
佐吉は藤助の怒鳴り声にびっくりして、千鳥足をもつれさせてドタンと転ぶありさまでした。
トミもびっくりして起き上がり、藤助をなだめようとします。
「まあまあおとうちゃん。佐吉の話もちゃんと聞きましょう。佐吉、一人で食べられなくてこれからどうしていくつもりだい。わしらだって先はもう長くないんだよ」
すると佐吉は黙り込みました。
藤助は佐吉が黙り込むのは、いつも将来のことを何も考えていないからだと決め付けていました。
佐吉からは酒の臭いがぷんぷんして、藤助はまた怒りたくなりましたが、ぐっとこらえていました。
佐吉がしゃべるまで藤助がじっと待っていると、佐吉はぼそりと弱々しい声で言いました。
「おら・・・人を救いてぇんだ。立派な仕事をしてぇんだ・・・」
藤助はそれを聞いて堪忍袋の尾が切れました。
「ああ!トミ・・・こいつはついに頭がおかしくなった!ろくに生活もできねぇで、どうやって生きていくんだ・・・畑仕事もできねぇで立派な仕事なんてできるわけがねぇ」
あまりにも情けない気持ちになって藤助は泣きそうになりました。
トミも佐吉を説得しようとします。
「佐吉、悪いことは言わね。真面目に働いてくれ。じゃないとわしらも安心してあの世にいけねえだよ」
佐吉は悲しい気持ちになりました。
佐吉は親に迷惑をかけていることぐらいよくわかっていました。
佐吉は家の手伝いをして、少々お金が手に入ったら、何に使っているのか、全部綺麗に使い切ってしまいます。
藤助は、そのお金はすべて遊ぶお金に使っていると思っていました。
じつは佐吉は困っている人を見ると放っておけない性格でした。
自分が人を楽しませることが大好きで、お酒を飲むのも自分が楽しむ以上に相手を楽しませたい気持ちでいっぱいだったのです。
佐吉がはしゃぐ姿を周りのものがよく見かけるので、佐吉は遊んでいるだけだと思われていました。
「おっとぉやおっかぁには、おらの気持ちなんてわからねぇだ」
佐吉は自分の気持ちをうまく伝えるのがへたでした。
気持ちの行き場のなくなった佐吉が立ち上がろうとすると、ごとりと木づちとノミが落ちました。
藤助がそれを拾い上げて言いました。
「佐吉。なんだこれは。こんなもの持ち歩いているのか。大工になりたいなら、きちんと弟子入りしたらどうだ。弟子入りもしねぇで、こんなもの持ち歩いたって宝の持ち腐れじゃ」
佐吉は藤助の持った木づちとノミを取り上げました。
「やめろ!おらの命よりも大事なものだ!触るな!」
トミは佐吉の言葉を聞いて泣き出し、言いました。
「佐吉。親に向かってそんな口のきき方はねぇべ。おめぇ、誰に育ててもらったと思ってるだ」
いつも言われるばかりで、何ひとつ藤助やトミに伝えることはできずにいた佐吉の心は壊れてしまいそうでした。
佐吉にはどうしてもやりたいことがありました。
佐吉はそのことをわかってもらおうとしましたが、いつも伝えようとすると、うまく言葉が出ずに「おらのことなんて、わかるわけねぇ」としか言えませんでした。
本当はちゃんと伝えたいのに、いつも怒らせるばかりで、話し合うこともできずに、どうしようもなくなって、佐吉は家を飛び出してしまいました。
藤助は心の中で思いました。
あんな息子ならいなかったほうがよかった、と。
トミは言ってもきかない佐吉に、どうしてわかってくれないのかと泣いたままでした。
その日から家族同士口数がめっきり減ってしまいました。
佐吉は逃げるようにして、夜頻繁に出歩くようになりました。
朝方に近所の村人が佐吉を見かけるたびに、悪口を言うようになりました。
村人たちは藤助やトミは一生懸命働くことを知っていたので、かばうように言い、佐吉だけを悪く言いました。
「本当にあんなろくでなしができて、藤助んとこはかわいそうだべ」
「奉公に出すにも、あんなんじゃあな・・・」
藤助たちばかりに同情の声がかけられ、佐吉は白い目で見られるようになりました。
もちろんその声は佐吉の耳にも入ってきています。
藤助たちは、もう佐吉のことは諦めようと思い始めていました。
息子だと言うことが恥さらしのように思うようになっていました。
佐吉はだんだんと、「おらなんていなくなったほうがみんなのためだべ」と思うようになりました。
悪口がどんどんひどくなってきたある日、佐吉は激しい雨の日、川へと身を投げて死んでしまいました。
佐吉の両親は心から悲しみました。
「ちゃんと仕事のできる息子にすれば、こんなことにはならなかった」
二人とも育て方を間違えたから、佐吉は死んだのだと思いました。
佐吉が死んでからしばらくして、雨のぬかるみもなくなったある朝、藤助の家の戸をドンドンと激しく叩く音がしました。
「佐吉!起きろ!春光殿がお見えじゃ!早くしろ!」
藤助は眠い目をこすりながら、戸を開けると、そこには村のものではない二人の若者とお坊さんが一人立っていました。
悲しみ残る藤助は神妙な顔でお坊さんを見ると、お坊さんは言いました。
「私は月光山の春光と申す僧です。ここに、あのありがたい観音像をお作りになられた佐吉殿がいるとお聞きしてまいったしだい。ぜひ、佐吉殿に会わせていただけませんか。お礼を申し上げたいのです」
月光山の春光坊と言えば、近隣では知らぬものがいないと言われる、偉いお坊さんです。
藤助は春光坊が何を言っているのかわかりませんでしたが、佐吉はもういないので、悲しみを抑えながら言いました。
「佐吉はこのまえ川へと身を投げて死んでしもうた・・・」
二人の若者もお坊さんも驚きました。
「うそだ!あんないいやつが、どうして死ななきゃいけないんだ!」
藤助は絶句している春光坊に聞きました。
「今日はどうしてここに・・・観音像を作ったって・・・」
春光坊は手をすり合わせ、悲しそうに目をつむって言いました。
「ああ・・・これは惜しいことをなされた・・・ついて来なされ」
藤助とトミが案内されたのは、村のお堂でした。
その中へと入ると、ふくよかで優しい顔をした立派な観音像が安置されておりました。
そのあまりの立派な姿に藤助もトミも言葉をなくします。
「この観音像は、この二人の友人が運んでくれたものです。佐吉殿は人知れず、この先の洞窟で少ない明かりで、この観音像をずっと彫っていたのです。こちらです」
春光坊は明かりを照らしながら、洞窟の奥へと入っていきます。
するとすぐに、木くずでいっぱいになった場所に突き当たりました。
明かりのためのロウソクが溶けたあともたくさんありました。
ロウソクはもちろんタダでは手に入りません。
はっと、藤助は佐吉のお金は遊ぶだけに使っていたのではないのかもしれないと思いました。
そして、ぐるりと見回すと、そこには作りかけの大小さまざまな像がありました。
藤助は木くずの中に、木づちとノミを見つけました。
「これは佐吉の・・・これを彫るために・・・」
トミは像の中に、ふたつ妙に気になる像を見つけました。
「おとうちゃん・・・これ・・・」
トミは両手に取って藤助に見せました。
そのふたつの像は藤助とトミの優しく笑っている顔が彫られた像でした。
明かりに照らされた木彫りの像は、手にとって見ているだけで、あたたかい気持ちになってきます。
「あいつに・・・こんな優しい顔の像が作れたのか・・・」
藤助は佐吉が作ってくれた自分の像を持ちながら、何かの力に引っ張られるようにお堂の観音像の元へと行き、正座して見上げました。
観音菩薩はこの世の一切の苦しみから救ってくださる慈悲深いおかたです。
佐吉の観音像は、その御姿を、やわらかい優しさで、いっぱいに表しておりました。
「ああ・・・これは・・・」
藤助は言葉を失うほど感動していました。
そのお顔を見ているだけで、藤助は自然と涙を流していました。
春光坊は言いました。
「お前にとって、どのような息子であったかは知らぬ。だがわしから言えることは、このような慈愛に満ちた像は、心が汚れていては彫れぬものなのじゃ。このお優しい観音像と同じくらい、心が澄みきっていなくては、この像は決して彫れぬものなのじゃ。お主の手にある像を見るがいい。誰よりも親思いで、真剣にお前のことを考えていたのが、その像でよくわかるではないか」
藤助はもう一度、自分の像を見ました。
佐吉の彫った像は、優しくいつまでも藤助へと笑いかけておりました。
藤助はわんわん泣きながら謝りました。
「すまねえ!佐吉!すまねえ!おめえのことなにひとつわかってやれなかった悪い親だ!佐吉!すまねえ!」
すると春光坊は言います。
「それは違う。もう一度御覧なさい。あの観音菩薩の慈愛に満ちたお顔を。佐吉殿はなにひとつ恨んではいない。すべてを許しておるのだ」
藤助もトミも「佐吉」と呼びながら、観音像のおみ足をさすりながらいつまでも泣いていました。
後日、たくさんの村の人々や、隣村のものまでもが、佐吉の観音像を見にやってきました。
そのお顔を見て、泣きながら手をすり合わせるものも少なくはありませんでした。
藤助とトミは畑仕事を終えて、お堂にいつも行っておりました。
そこには誰が呼んだわけでもなく、村のものが集まってきます。
そこで話されるのは、いつも佐吉のことでした。
「佐吉どんはのぉ・・・毎晩病気のわしのところに来てのぉ・・・一生懸命看病してくれたものじゃった・・・」
「佐吉は、少しでも悩んだ顔をしていると、じっと側に座って話を聞いてくれたんじゃ。何も言わずに、ただ真剣に話を聞いてくれた。あんな優しいやつは初めてじゃった」
「佐吉はみんなを楽しませようと酒を飲んでも、ひたすらはしゃいでいた。いざという時は自分のことを省みず、友達のために尽くしてくれたんだ。みんな佐吉のために酒をふるまったものだ」
藤助とトミは、みんなの佐吉話を聞いて、つくづくほこらしげな息子だったのだと思うと同時に、毎日観音菩薩を拝みにきていました。
そして観音様を拝みに来る人へと言っていました。
「この世には、自分の気がつかない大事なものがたくさんあるものじゃ。みんな、あんな観音様のようにおだやかに笑い合えたらええのぉ」
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2008年09月04日



動物たちが冬眠する冬でも、街は眠らず動き続けます。
それでも、朝日が昇る少し前、多くの人々が目覚める少し前、新聞を配達する人の目覚ましは鳴ります。
新聞配達員が、寝ぼけながら目をこすり、冬の朝の寒さに凍えながら着替え、白い息を吐きながら外を歩いて配達所まで行き、配達所のスタッフに元気よく挨拶をし、配達所から新聞を各家庭に配る頃、とある家庭のお母さんは一人起きだして野菜を切り、炊き上がったご飯をお弁当箱の中にもって、フライパンをコンロに乗せてガスをつけ、玉子を割り、フライパンの中で味付けをしながら、少しだけレトルト食品で手抜きをして、お弁当と朝ごはんの支度をします。
新聞配達員が、いつものルートを回る頃、少しだけ朝日が見えて一気に空が明るみだします。
いつもの新聞配達のルートでは、晴れの日はおじいさんが早起きして冬でも庭でラジオ体操をしています。
新聞配達員はおじいさんに挨拶をします。
「おはようございます。新聞です」
新聞配達員のいつもの元気そうな顔を見るとおじいさんはにっこりと挨拶をします。
「いつもありがとう」
新聞配達員はおじいさんの「ありがとう」の言葉にいつも心が和みます。
配達員の新聞が残り少なくなった頃、お母さんのお弁当はみっつできあがって、朝ごはんのしたくも終わりました。
お母さんは子どもとお父さんを起こしに行きます。
子どもが口をあんぐり開けて、布団を蹴飛ばして、パジャマから少しおなかを出して幸せそうな夢を見ているとき、お母さんは声をかけます。
「早く起きないと学校に遅れるよ」
お母さんはお父さんも起こしに行きます。
昨日の接待で飲み続けたせいで、部屋の中には少しお酒の臭いが残っています。
お父さんは布団を蹴飛ばして、パジャマから少しおなかを出して、口をあんぐりあけています。
まるで子どもを二人起こすみたいな気持ちになります。
「お父さん、朝ですよ。会社に遅刻しますよ」
小さな子どもと大きな子どもを起こさなければ遅刻してしまいます。
お母さんはお父さんの二日酔いを気遣って朝はコーヒーではなくホットミルクにほんの少々コーヒーを入れたコーヒー牛乳を作ってあげます。
ふやけた声で「おはよう」と目をこすりながら二人は起きてきます。
朝の支度をして、三人が開かれたカーテンからさんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びながら、テーブルに並べられたお母さんの作ってくれた朝ごはんに「いただきます」を言う頃、ラジオ体操を終えたおじいさんは仏壇のおばあさんに水とご飯と少々の漬物を備えて手を合わせます。
「おはよう。今日も見守ってくれてありがとう」
そう心の中で自然と言いながら。
おじいさんが手を合わせ終えて、一人でご飯を食べようとしている頃、一人暮らしの大学生はようやく目覚ましでだるそうに起きだします。
昨日友だちと夜まで遅くはしゃいでいた大学生は、実家から送られてきた小包をそのままにしておいていました。
月末でお金も少なく、食料がないから米を送ってくれと催促したら送ってきた小包です。
きっとお米やらなにやら入っているのだろうと思って、朝ごはんの支度をしようと小包を開けてみると、お米や梅干のほかに手紙が添えてありました。
手紙の中は少ない文字で、母のしっかりした文字で二行だけ書かれていました。

 元気でいてくれることが一番の安心です。
 疲れたらいつでも帰ってきていいからね。

いつも母親をそっけなく扱っていた大学生は、母親のあたたかい文字の柔らかさと、その言葉に思わず胸を詰まらせました。
「今日は、実家に電話でもしようかな」
大学生はそう呟いてカーテンを開けると眩しい光が部屋と大学生を包み込みます。
その頃、その大学生の両親は食卓でゆっくりとご飯を食べていました。
ワイシャツ姿でテレビを見ながらご飯を食べる大学生の父親は、目の前で静かにご飯を食べる母親をちらりと見て、テレビのほうを見直して聞きます。
「おい」
視線を向けずにご飯を食べる母親は「なんですか」と言います。
「送った米、ちゃんと届いたんだろうな」
母親は、ふわりと口元に笑みを浮かべてご飯茶碗を持った父親を見ます。
「大丈夫ですよ」
「そうか」
父親はテレビから目を離さずにご飯を食べ続けます。
それがシャイな父親の必死の照れ隠しだと思うと母親の心は朗らかになってきます。
父親がテレビを見ながら息子のことで内心安心しきっている頃、新聞配達員は仕事を終えて家路についていました。
配達員が家について一人でご飯を食べていると携帯が鳴り出してメールが届きました。

 おはよう。
 今度の土曜のデート、いいよ。

配達員はメールを見て飛び上がって喜びます。
配達員がメールで舞い上がっている頃、お母さんの作ってくれたお弁当を持ったお父さんと子どもは先に家を出ます。
「いってきます」
背広を着てビシッとした、大学生の父親も、仕事に出かけます。
「いってくる」
玄関から光があふれ出て、人は朝を感じます。
お父さんは子どもの手を握って歩きます。
新聞配達のために、学費を免除されている新聞配達員は、余裕を持って学校へ行きます。
大学生はのんびりしすぎて、急いで玄関を出ます。
おじいさんは今年も山登りを続けるためにジョギングをしだします。
ジョギングの先々で自分よりも若い人がひいひい言いながら走っているのを見ます。
(山で足手まといには絶対にならない)
おじいさんは強く思いながら謙虚な気持ちで走り続けます。
道行くジョギング仲間に挨拶をします。
「おはようございます。いい朝ですね」
みんな微笑みながら挨拶を交わします。
大学生の母親は家事を済ませた後は、生け花と社交ダンスのサークルに行くスケジュールが入っています。
お弁当を持たせて、お父さんと子供を先に行かせたお母さんはデザイナーで、自分のお弁当を持って洋裁の仕事に出かけます。
ファッションショーまでに衣装をそろえなければなりません。
朝の街は忙しく動き始めます。
小さな夢も、努力も、微笑みも、朝の挨拶から始まります。
「おはようございます」
なんでもない挨拶が、毎日のあたたかみを運びます。
そのあたたかみの傍らで、植物たちは人を見守り生きています。
朝です。
朝の、光です。
あたたかい朝の、「おはようございます」
posted by あさかぜ at 08:50 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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